RTX 5060 (Blackwell) 向けローカル画像生成環境構築ノウハウ

🚨 問題: RTX 5060 Laptop GPU で CUDA エラーが起きる

Stable Diffusion WebUI (AUTOMATIC1111 や Forge) などを NVIDIA RTX 5060 Laptop で起動して画像を生成しようとすると、以下のエラーが発生して画像生成に失敗します。

RuntimeError: CUDA error: no kernel image is available for execution on the device

💡 原因

  • RTX 5060 は NVIDIA の新しい Blackwell アーキテクチャ (CUDA capability sm_120) です。
  • 2026年初頭時点の公式 PyTorch (2.3〜2.6、さらには nightly 2.12であっても) に組み込まれているCUDAコンパイル済みバイナリは、最大 sm_90 (Hopper世代) までしか対応していません
  • 結果として、「CUDAカーネルが見つからない」とされ、NVIDIA GPUとして認識されても推論が実行できません。

🛠️ 解決策: ComfyUI + DirectML を使う

PyTorchの公式な Blackwell 対応 (SM_120 ビルド) を待つ間は、CUDA を介さずに Windows の DirectML (DirectX 12 メディアレイヤー) を経由して GPU を動作させる手法がもっとも確実で高速です。

標準の WebUI は DirectML 対応への切り替えが複雑(もしくは未対応)ですが、ComfyUI は DirectML にネイティブ対応しているためセットアップが簡単です。

構築手順 (Windows + PowerShell)

1. ComfyUI のクローンと仮想環境作成

※ Python 3.10系がインストールされている前提です。

cd C:\ai_work
git clone https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI.git
cd ComfyUI
 
# Python 3.10 で仮想環境作成
& "C:\ai_work\python310\python.exe" -m venv venv

2. PyTorch (CPU版) と DirectML プラグインのインストール

ここで絶対に CUDA 版 (cu121など) を入れないことが重要です。CPU版のコアに DirectML プラグインをガッチャンコさせます。

# 1. CPU版 PyTorch のインストール
& ".\venv\Scripts\pip.exe" install torch torchvision torchaudio --index-url https://download.pytorch.org/whl/cpu
 
# 2. DirectML ブリッジのインストール
& ".\venv\Scripts\pip.exe" install torch-directml
 
# 3. ComfyUI の他依存ライブラリのインストール
& ".\venv\Scripts\pip.exe" install -r requirements.txt

3. モデルの配置

ComfyUI\models\checkpoints\ フォルダに .safetensors モデルを配置します。

TIP

RTX 5060 (8GB VRAM) 向け推奨モデル 初期SD1.5(v1-5-pruned-emaonly)は品質が微妙です。代わりに以下のようなファインチューン済みの 2GB〜4GB モデルを使うと高品質な生成が可能です。

  • DreamShaper V8 (リアル&イラスト両用、高品質)

4. DirectML モードで起動

起動時に必ず --directml フラグを付与します。これを忘れると CPU 計算になり激重になります。

& ".\venv\Scripts\python.exe" main.py --directml

起動ログに以下のように出れば成功です。

Using directml with device: privateuseone:0
Set vram state to: NORMAL_VRAM

🔌 API 経由での利用 (スクリプト連携)

ComfyUI が 127.0.0.1:8188 で起動中であれば、別の Python スクリプト等から API 経由で生成リクエストを送ることが可能です。 Antigravity のような AI オーケストレーターからローカル画像生成を呼ぶ際に最適化されています。

参考実装 (scripts/comfy_test.py) JSON 形式のワークフロー(プロンプトやモデル指定など)を作成し、/prompt エンドポイントに POST するだけで非同期に生成キューに入り、ComfyUI/output/ ディレクトリに結果が保存されます。