マルチエージェントAIコラボレーション:情報共有アーキテクチャ調査

背景

Antigravity IDE(定額制AIコーディングエージェント)を中核として、Claude Codeやその他のAIエージェントと協業するための仕組みを構築する。OpenClaw単体では高額なAPIコストが発生するため、Antigravity IDEとClaude Codeを組み合わせた低コストなアーキテクチャを目指す。


1. ファイルベース協調(File-Based Coordination)

1.1 共有ワークスペースファイルパターン

最もシンプルかつ実績のあるアプローチ。エージェント間で共有ディレクトリに以下のファイルを配置して管理:

  • goal.md — 現在のタスク目標
  • plan.md — 実行計画
  • status.md — サブタスク状態管理
  • log.md — 監査ログ

メリット: 完全に検査可能でデバッグが容易、外部依存なし デメリット: ファイルI/Oレイテンシ、書き込み競合、スケーラビリティ制限

1.2 AGENTS.md 標準

2025年中盤に登場したAIコーディングエージェント向けユニバーサル標準(Agentic AI Foundation管理)。

  • 「READMEのAI版」:プロジェクトコンテキスト、ビルド/テストコマンド、コードスタイルを記述
  • ネストしたAGENTS.mdでモノレポ内のサブプロジェクトに個別指示が可能
  • Claude Code、Cursor、GitHub Copilot、Devin等のツール間で共通利用可

1.3 CLAUDE.md(Claude Code固有)

  • プロジェクトルートに配置、各セッション開始時に自動読み込み
  • プロジェクト規約、ディレクトリ構造、Claude固有の指示を記述
  • AGENTS.mdと補完的に使用

1.4 スティグマジー(Stigmergy / 間接協調)

生物学から借用された概念。エージェントが共有環境の変化を観察して間接的に協調

  • Agent Aがinput/のファイルを処理→output/に移動
  • Agent Bがoutput/の変化を検知→次の処理を実行
  • 直接通信なしでワークフローが成立

1.5 ブラックボード・システム

共有データ構造に複数エージェントが読み書きして協調するパターン。アトミック更新やロック機構で並行性を管理。古典的だが堅牢。


2. Claude Codeエージェントチーム(最新事例)

2.1 Agent Teams(2026年2月プレビュー)

  • リードエージェントがチームメイトを生成、タスク割当、結果統合
  • チームメイトは独自のコンテキストウィンドウで独立動作
  • インボックスベースのメッセージング+共有タスクリスト

2.2 4エージェント・パターン(Reddit実践事例)

4つのClaude Codeが別々のVSCodeターミナルで動作:

  • Architect:全体設計
  • Builder:実装
  • Validator:テスト・検証
  • Scribe:ドキュメント
  • 共有プランニングドキュメントで通信

2.3 Claude Code Agentrooms

オープンソースのマルチエージェント開発ワークスペース。@mentionsでタスクルーティング、ファイルベース通信。

2.4 Vibe Kanban

AIコーディングエージェントのオーケストレーションプラットフォーム。Claude Code/Codex/OpenCode切り替え可能、カンバンボードでタスク可視化。


3. 通信プロトコル

プロトコル開発元概要
MCPAnthropic / Linux Foundationエージェント間コンテキスト共有標準。Antigravity対応済み
A2AGoogleエージェント間直接通信。Agent Card→Task→Artifact
AG-UICopilotKitエージェント・UI間標準化。リアルタイムステート同期
SAMEPOSSセキュアメモリ共有。分散リポジトリ+セマンティック検索

4. コスト最適化戦略

ハイブリッド戦略(推奨)

エージェント課金役割
Antigravity定額メインの戦略策定・複雑な実装
Claude Code従量Antigravityから呼び出す特化ワーカー(短時間・明確なタスク)
OpenClaw/Dify従量外部向けBot(LINE営業等)のみ → API呼び出し最小化

5. Antigravity向け推奨アーキテクチャ

5.1 中央ナレッジストア型(Obsidian Vault活用)— 最も自然

Obsidian Vault/
├── 07_AgentSync/           ← NEW
│   ├── inbox/              ← タスクキュー
│   ├── status/             ← 各エージェント状態
│   ├── reports/            ← 完了報告
│   ├── shared_context/     ← 共有コンテキスト
│   └── AGENTS.md           ← 全エージェント共通ルール

フロー:

  1. Antigravityが複雑タスクを分析 → サブタスクをinbox/に書き出し
  2. Claude Code A/Bがinbox/から自分のタスクを取得
  3. 進捗をstatus/に書き込み
  4. 完了報告をreports/に書き出し
  5. Antigravityがreports/を読んで統合・次のアクションを決定

5.2 ファイルウォッチャー型

  • ファイル監視でinbox/を自動検知→エージェント自動起動→完了検知→次ステップ自動実行

5.3 CDP + ファイルハイブリッド型(現行拡張)

  • Antigravity: メインIDE(CDP注入で動作中)
  • Claude Code: サブプロセスとしてspawn
  • Obsidian Vault上のファイルで情報交換
  • Discord経由でユーザーに進捗報告